憲法学会のご案内


憲法学会第117回総会並びに研究集会を、下記の通り開催いたします。ご多忙中とは存じますが、万障お繰り合わせの上ご出席下さいますよう、ご案内申し上げます。


平成29年4月27日

憲法学会理事長  慶 野 義 雄


1.日時

平成29年6月17日(土)午前10時より午後5時まで

受付開始 午前9時30分

2.会場

皇學館大学

〒516-8555
三重県伊勢市神田久志本町1704(2号館)

電話0596(22)6436

会場へのアクセス方法

交通案内など詳細は大学のページをご覧ください。

3.総会幹事

総会幹事 皇學館大学 富永 健

4.シンポジウム

「日本国憲法施行70年 -理論と現実-」

総合司会 日本大学 東 裕

午前の部

(1)象徴天皇制度をめぐって

パネリスト 国士舘大学 百地 章

(2)自衛権と戦力

パネリスト 平成国際大学 高乗 正臣

(3)議院内閣制

パネリスト 日本大学 関根 二三夫

(4)日本国憲法と地方自治の理想と現実

パネリスト 日本大学 福島 康仁

午後の部

質疑応答

5.役員会

総会当日の昼食時に開催の予定です。

6.総会

昼食後の午後1時30分より行います。

7.懇親会

午後5時30分より学内において行います。

8.その他

(1) 総会及び懇親会の出欠について、送付済みの案内状に同封のはがきで、6月10日(土)までにご返信下さい。

(2) 平成29年度の会費(機関誌代を含む)8,000円を未納の方は、会場の受付にてお納め下さい。

(3) 懇親会にご出席の方は、懇親会費6,000円をいただきます。

(4) 平成27年度以降の主要な研究業績、学会に企画して欲しいテーマもしくは発表希望テーマを同封のはがきでお知らせ下さい。会員の方には、はがきに発表希望テーマを積極的に記していただき、その中から発表者を原則として決めることに致します。

(5) 宿泊は各自でご手配ください。


 

第117回憲法学会研究集会 発表要旨


 

象徴天皇制度をめぐって

国士舘大学 百地 章

象徴天皇制をめぐる諸問題について、具体的には、@そもそも「象徴」とは何か−天皇は、単なる象徴ではなく、「国家的象徴」である−。A象徴行為とは何か−その成立、意義、機能とは−。B国事行為の意義と機能及び限界−いわゆる「国政不関与の原則」をめぐって−。さらに、C今回の天皇陛下のご譲位をめぐる憲法問題−立憲君主制、摂政制度の限界、退位特例法について−、検討を加える。


 

自衛権と戦力

平成国際大学 高乗 正臣

日本国憲法には他国に類例を見ない「戦力不保持」と「交戦権否認」という特異な規定(9 条)が存在する一方、現実には世界有数の戦力たる自衛隊が存在する。この規範と現実との齟齬をめぐり、憲法施行後、長きにわたって多くの論争が展開されてきた。国家安全保障の問題は、極めて高度な政治的問題であると同時に、立憲国家である以上、それはすぐれて憲法問題である。9 条を法規範として見る限り、自衛権及び自衛隊は憲法上どのように位置づけられるかについて立憲主義の視点から若干の解釈論的検討を加える。


 

議院内閣制

日本大学 関根 二三夫

議院内閣制は、議会に内閣の存続を左右するほどの優位性があり、内閣の成立及び存続が議会の意思に依存する制度である。日本や欧州の立憲君主国に見られる制度であり、議会と内閣との関係については、権力の分立というより権力の混合の形態をとる。権力の混合は、内閣に対する議会の民主的統制や法律や予算の円滑な執行という側面では機能的と言えるが、反面、議会に対する内閣の権能の拡大をもたらす。


 

日本国憲法と地方自治の理想と現実

日本大学 福島 康仁

明治憲法には、地方自治に関する規定は存在せず、地方制度は、法律で規定され中央集権的なシステムが採用された。この流れのなかで日本国憲法の制定過程において、地方自治の章の設定が当然の理としたものではなかった。現行憲法において設けられた地方自治の規定に基づき、地方自治法などの関係法が制定されたが、実質的には戦前の仕組みが残存したことから、これからの中央地方間関係の論点とされてきた。報告では、地方分権の流れが加速する中で、「地方自治の本旨」を踏まえた地方自治と現実との乖離について考察したい。


 


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