憲法学会のご案内


憲法学会第101回総会並びに研究集会を、下記の通り開催いたします。ご多忙中とは存じますが、万障お繰り合わせの上ご出席下さいますよう、ご案内申し上げます。

平成21年4月21日

憲法学会理事長 高 乗  正 臣


PDF版の開催案内ファイルはこちらをご覧ください。

1.日時

2009年6月20日(土) 午前10時より午後6時まで

受付開始 午前9時30分

2.会場

高崎経済大学(7号館)

〒370-0801 群馬県高崎市上並榎町1300

電話 027-343-5417

会場へのアクセス方法は、こちらをご覧ください

■JR高崎駅からのアクセス■

・バスを利用(約20分)290円
高崎駅西口バス乗り場2番(群馬バス)乗車 → 経済大学前下車 
?室田行き(本郷経由)/高崎経済大学前行/箕郷行(沖経由)/榛名湖行

・タクシー利用の場合 約3キロ、1500円位です。

  

 

3.総会幹事

高崎経済大学    新田 浩司

4.憲法学会設立50周年記念シンポジウム  今「憲法と国家」を問う

総合司会  

近畿大学 石田 榮仁郎

   

東洋大学 名雪 健二

 

 

午前の部

憲法の課題と展望−国の安全の見地から

(1) 明治憲法と治安・防衛

パネリスト 大阪国際大学 奥村 文男

(2) 現行憲法と国の安全?日本国憲法の可能性と限界?

パネリスト 苫小牧駒澤大学 東  裕

(3)新憲法への構想

パネリスト 日本大学 池田 実

午後の部

国家論の過去、現在、未来−国の柱を問う

(4) 明治(国家)憲法と国の柱

パネリスト 平成国際大学 慶野 義雄

(5) 戦後の国家観

パネリスト 高崎経済大学 八木 秀次

(6) 国家論の再構築

パネリスト 日本大学 百地 章

5.役員会

総会当日の昼食時に開催の予定です。

6.総会  

昼食後の午後1時30分より行います。

7.懇親会

午後6時より高崎経済大学の学内で行います。

8.その他

(1) 総会及び懇親会の出欠について、同封はがきで、6月13日(土)までにご返信下さい。
(2) 平成21年度の会費(機関誌代を含む)8,000円を未納の方は、会場の受付にてお納め下さい。
(3) 懇親会にご出席の方は、懇親会費5,000円をいただきます。
(4) 平成19年度以降の主要な研究業績、学会に企画して欲しいテーマもしくは発表希望テーマを同封のはがきでお知らせ下さい。会員の方には、はがきに発表希望テーマを積極的に記していただき、その中から発表者を原則として決めることに致します。
(5) 会場付近の案内は、下記をご覧下さい。
(6) 宿泊につきましては、直接ご手配ください。
(7) 憲法学会では、設立50周年を記念し、論文集『憲法における普遍性と固有性』の刊行を企画しています。原稿募集に先立ち、会員の皆様から、執筆希望調査を行うことになりましたので、お知らせします。論文集の趣旨をご理解のうえ、執筆を希望する会員は、論文題目を明記し、平成21年5月31日(日)までに、ご連絡下さい。執筆要領:(1)原稿枚数、200字×80枚程度(2)原稿締切、平成21年10月末頃(3)原稿査読、あり(4)刊行予定年月、平成22年6月、その他詳細は執筆希望者に後日連絡します。論文集連絡先:〒059-1292北海道苫小牧市錦岡521-293、苫小牧駒澤大学 東 裕、0144-61-3111(代)、FAX0144-61-3333、メールアドレス y.higashi(アットマークをここに入れてください)t-komazawa.ac.jp

本会は、既にご承知のごとく、昭和34年4月「万国の憲法に通ずる普遍的原則を究明するとともに、わが国固有の独自性の上に憲法生活を確立する」ことに寄与することを目的として結成されたものでありますが、この際入会希望者をご紹介くださる方には、所定の入会申込書をお送り申し上げますので、その旨お知らせ下さい。

 


第101回憲法学会研究集会発表要旨

 

明治憲法と治安・防衛

大阪国際大学 奥村 文男

明治憲法にはいわゆる天皇大権の下で、国内的には治安維持の目的のために緊急勅令(8条)、警察命令(9条)、戒厳令(14条)、非常大権(31条)などが規定されていたが、これらの内容及び相互の関係は必ずしも分明ではない。本報告はこれらの点について整理し論点を明らかにするとともに、統帥権の独立についても歴史的沿革を踏まえてその問題の所在を解明してみたい。

 

現行憲法と国の安全?日本国憲法の可能性と限界?

苫小牧駒澤大学 東  裕

日本国憲法は、占領下において、「平時憲法」として誕生した。国の安全は所与の条件であった。その憲法の下、わが国は占領期を耐え、冷戦期を生き抜き、冷戦後のこんにちまで、その安全をほぼ確保してきた。しかし、これはすべて日本国憲法のおかげか。日本国憲法の可能性と限界が問われよう。本報告では、@占領下、A独立から冷戦終了、そしてB冷戦後、の三期に分けて、現行憲法と国の安全について考察する。なお、「国の安全」については、「国家の安全保障」にとどまらず、「人間の安全保障」をも視野に入れ、従来の議論の枠組みを越えた問題提起を行いたい。

 

新憲法への構想

日本大学 池田 実

現行9条のもとでも、解釈や運用を通じて、たいていの危機には対処できる。できてしまう。ただし、法的整合性を度外視すれば……の話である。新憲法構想の要諦は、非常時を想定しない脆弱な「平時」憲法を、いかなる国難に際しても、国家の主権・独立、国民の生命・自由・財産を保全しうる強固な法治国家の体制につくりかえることにある。そのためにどのような文言の修正が必要不可欠であるか、具体的な提言を試みる。

 

明治(国家)憲法と国の柱

平成国際大学 慶野 義雄

  「領土」から始めるプロシャ憲法とは対照的に、帝国憲法は「天皇」の章から始める。また、帝国憲法第一条の主語は「天皇」ではなく、「大日本帝国」である。それは、憲法の起草者たちが、国家を人為的に定義するものとしてではなく、また権力支配機関としてでもなく、自然に在るものとして捉えたからであろう。教学聖旨にみる元田永孚の国教構想に対する伊藤博文、井上毅の批判、井上の教育勅語の思想などともあわせて、明治立憲体制の特質を考察したい。

 

戦後の国家観

高崎経済大学 八木 秀次

日本国憲法は前文で、日本国の成り立ちをJ・ロックの信託理論=社会契約説で説明している。自然状態=歴史がゼロの状態で人びとが社会契約を交わして国家を創設したというものだ。これに従えば、日本国は戦後に創設された新しい国家であり、戦前とは断絶した存在ということになる。この論理はこの10年ほどの政府の代表的審議会で繰り返し登場し、「古い日本」からの決別が強調される。日本国憲法に内在する革命理論の問題点を明らかにしたい。

 

国家論の再構築

日本大学 百地 章

  戦前と戦後の国家論を分析評価した上で、国家論再構築のための予備作業を行う。具体的には、戦前の国家論として明治憲法の起草者らに影響を与えたグナイストやバークらの国家有機体説、美濃部達吉ら憲法学者たちの国家法人説、さらに自由民権論者らの社会契約説を、戦後については憲法の基礎にある社会契約説(および国家論不在の原因)等を比較検討し、国家有機体説や国民国家論の復権と再評価を試みたい。

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